

50代で投資を始めようと思うんだけど、S&P500とオルカン、どっちを買ったらいいの?
そんな風に悩んでいませんか。
結論から言うと――
もしこの記事を読んでいるあなたが、50代の投資初心者なら、「オールカントリー(全世界株式)」の購入をおすすめします!
とはいえ、S&P500を推す声もよく聞きますよね。だからこそ、迷ってしまうのも当然のことです。
この記事では、S&P500の特徴や魅力についても解説しながら、なぜ50代の投資初心者には「オールカントリー」がより適しているのかを、50代主婦である私・wakaの視点からお伝えしていきます。
あくまで個人的な意見ではありますが、投資先に悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
※この記事は投資を推奨するものではなく、あくまで一般的なリスクや考え方をお伝えするものです。
投資はご自身の判断と責任で行ってください。
この記事でわかること
- 50代こそ投資を始める理由
- オールカントリーとS&P500の概要
- オールカントリーとS&P500の特徴をグラフで比較
- 50代にオルカンをおすすめする3つの理由
はじめに:50代こそ投資を始めるべき理由
家計を預かる主婦にとって、老後の生活費をしっかり確保することは欠かせません。そのため、貯金だけに頼らず、賢くお金を育てる「投資」に目を向ける人が増えています。
投資を始めるべき理由は、主に次の3つです。
- 物価の上昇(インフレ)
- 不安定な社会制度
- 新NISAのスタートで投資がより身近に
順番に解説していきます。
物価の上昇(インフレ)
コロナ禍以降、食品や光熱費、日用品など、生活に欠かせないものの価格が次々と上昇しています。
同じ金額でも買える量が減ってきており、「このまま年金や貯金だけで大丈夫なの?」と不安を感じる方も多くなりました。
このトレンドは一時的なものではなく、今後も長期にわたって続いていくと見られています。
不安定な社会制度
少子高齢化の進行により、将来の年金受給額の減少や医療・介護の自己負担増といったリスクが現実味を帯びてきています。
そのため、「今のうちに自分で備えておかないと…」と感じる人が増えています。
新NISAのスタートで投資がより身近に
2024年にスタートした新しいNISA制度によって、非課税で資産運用ができるチャンスが広がりました。
これまで投資に縁がなかった人でも、少額から無理なく始められる環境が整い始めています。
インデックス投資の概要
インデックス投資は、初心者でも安心して始められる投資方法です。ここでは、その特徴や代表的なファンドについて、わかりやすく紹介します。
インデックス投資とは
インデックス投資とは、個別の企業の株ではなく、特定の株価指数(インデックス)に連動して運用される商品に投資する方法です。
たとえば、1つのファンドで世界中の株式に分散投資が可能な商品もあり、個別銘柄を選ぶ必要がないため、手軽に長期の資産形成が目指せる点が魅力です。
少額から日本円で投資が可能
つみたてNISAに対応した優良なインデックスファンドは、100円からの少額で投資を始めることができます。楽天証券やSBI証券では、楽天ポイントやVポイントを使っての購入も可能です。
「まずは試しに少しだけ始めたい」という人にもぴったりで、投資初心者にとってもハードルが低くなっています。
代表的なインデックスファンド2選
50代の投資初心者におすすめしたい代表的なインデックスファンドは、以下の2つです。
- S&P500:アメリカの主要企業500社で構成された株価指数に連動するファンド
- 全世界株式(オールカントリー):世界中の株式に広く分散投資できるファンド
どちらも個別銘柄を選ぶ手間がなく、リスクを分散しながら運用できるため、長期の資産形成に適しています。
さらに、証券会社を通じて、日本円で少額から購入することができるので、投資が初めてという人にも始めやすいのが特徴です。
全世界株式(オールカントリー)とは?
投資初心者の間でもよく話題にのぼる「オルカン」。ここでは、正式名称や仕組み、他の類似ファンドとの違いについて解説します。
「オルカン」という名前
「オルカン」は、「オールカントリー」の略称で、三菱UFJアセットマネジメントが提供するインデックスファンド「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」の通称です。
このファンドは、「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MSCI ACWI)」という世界の株価指数に連動して運用されています。MSCI ACWIの対象は、全世界の大型株・中型株です。
オルカン以外の投資信託
全世界に投資できるインデックスファンドは、オルカンだけではありません。
同じように全世界の株式に分散投資したい方は、以下のようなファンドを選んでも問題ありません。
※投資信託を選ぶ際は、「信託報酬(運用コスト)」ができるだけ低いものを選ぶのがポイントです。
たとえば、オルカンの信託報酬は約0.05775%と、非常に低コストです。
長期で保有するほど、コストの差がリターンに大きく影響してきます。
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」は、日本を除いた全世界の株式に投資するファンドです。
すでに日本株を保有している人や、日本をあえて投資対象から外したい人に向いています。
SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま(全世界株式))
こちらは「FTSEグローバル・オール・キャップ・インデックス(FTSE GACI)」という指数に連動するファンドです。
FTSE GACIは、全世界の大型株・中型株・小型株を対象としています。

どれに投資しても、大差はないです。
全世界株式の構成銘柄の特徴
全世界に投資するといっても、実際にはどのような銘柄で構成されているのでしょうか。オールカントリー(eMAXIS Slim 全世界株式)が投資している上位銘柄や、業種ごとの構成比率を見ていきましょう。
オールカントリーを構成する上位10銘柄 (2025年5月現在)
アップル、マイクロソフト、エヌビディアなど、GAFAMをはじめとするグローバルテクノロジー企業が多く含まれているのが特徴です。
銘柄 | 銘柄(英語表記) | セクター | 国 | 割合 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | アップル | APPLE (AAPL) | 情報技術 | アメリカ | 4.18% |
2 | マイクロソフト | MICROSOFT (MSFT) | 情報技術 | アメリカ | 3.65% |
3 | エヌビディア | NVIDIA (NVDA) | 情報技術 | アメリカ | 3.49% |
4 | アマゾン | AMAZON.COM, INC (AMZN) | 一般消費財 | アメリカ | 2.28% |
5 | メタ | META (META) | 通信サービス | アメリカ | 1.56% |
6 | アルファベット(クラスA) | ALPHABET CLASS A (GOOGL) | 通信サービス | アメリカ | 1.21% |
7 | ブロードコム | BROADCOM (AVGO) | 情報技術 | アメリカ | 1.12% |
8 | テスラ | TESLA (TSLA) | 一般消費財 | アメリカ | 1.07% |
9 | アルファベット(クラスC) | ALPHABET CLASS C (GOOG) | 通信サービス | アメリカ | 1.05% |
10 | イーライリリー・アンド・カンパニー | LILLY (ELI) & COMPANY (LLY) | ヘルスケア | アメリカ | 0.95% |
オールカントリー構成銘柄の業種別の比率(2025年5月現在)
業種別では、「情報技術」と「金融」で全体の約4割を占めており、ハイテクや金融業界の影響を受けやすいファンドといえます。
一方で、医療、生活必需品、エネルギーなどもバランスよく含まれており、幅広い分野に分散投資されている点も魅力です。
セクター | セクター(英語表記) | 割合 | |
---|---|---|---|
1 | 情報技術 | Information Technology | 23.6% |
2 | 金融 | Financials | 18.0% |
3 | 資本財・工業 | Industrials | 10.7% |
4 | 一般消費財 | Consumer Discretionary | 10.5% |
5 | ヘルスケア・医療 | Health Care | 10.0% |
6 | 通信サービス | Communications Services | 8.2% |
7 | 生活必需品 | Consumer Staples | 6.4% |
8 | エネルギー | Energy | 3.7% |
9 | 素材 | Materials | 3.6% |
10 | 公共事業 | Utilities | 2.7% |
11 | 不動産 | Real Estate | 2.1% |
米国株式「S&P500」とは?
S&P500は、アメリカの株式市場を代表する株価指数で、日本でいうTOPIX(東証株価指数)や日経平均株価のような存在です。
ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場している500社の株価で構成されていて、米国株式市場全体の動向を示す指標として広く活用されています。
S&P500の構成銘柄の特徴
ここでは、S&P500の特徴を「構成銘柄」と「業種別の比率」から見ていきましょう。
S&P500を構成する上位10銘柄 (2025年5月現在)
S&P500には、アメリカを代表する大企業が多く含まれていますが、実はその中でも特に、上位10社だけで全体の約3割を占めています。
アップル、グーグル(アルファベット)、アマゾン、テスラ、エヌビディアなど、GAFAMをはじめとする、巨大グローバル企業が中心です。そのため、S&P500はこれらの巨大企業の株価の影響を受けやすいという特徴があります。
銘柄 | 銘柄(英語表記) | 割合 | |
---|---|---|---|
1 | アップル | APPLE (AAPL) | 6.69% |
2 | マイクロソフト | MICROSOFT (MSFT) | 6.23% |
3 | エヌビディア | NVIDIA (NVDA) | 5.80% |
4 | アマゾン | AMAZON.COM, INC (AMZN) | 3.81% |
5 | メタ | META (META) | 2.56% |
6 | バークシャーハサウェイ | BERKSHIRE HATHAWAY (BRK.B) | 2.55% |
7 | アルファベット(クラスA) | ALPHABET CLASS A (GOOGL) | 2.02% |
8 | ブロードコム | BROADCOM (AVGO) | 1.92% |
9 | テスラ | TESLA (TSLA) | 1.70% |
10 | アルファベット(クラスC) | ALPHABET CLASS C (GOOG) | 1.65% |
S&P500構成銘柄の業種別の比率(2025年5月現在)
S&P500の中で最も比率が高いのは「情報技術(IT)」セクターで、全体の約3割を占めています。アップルやマイクロソフト、エヌビディアといったIT大手企業の存在感が大きいことがわかりますね。
一方で、金融、ヘルスケア、一般消費財、通信サービスなど、幅広い業種に分散されている点は、S&P500の強みでもあります。
銘柄 | 銘柄(英語表記) | 割合 | |
---|---|---|---|
1 | 情報技術 | Information Technology | 31.03% |
2 | 金融 | Financials | 14.15% |
3 | ヘルスケア・医療 | Health Care | 11.20% |
4 | 一般消費財 | Consumer Discretionary | 10.36% |
5 | 通信サービス | Communications Services | 9.34% |
6 | 資本財・工業 | Industrials | 7.45% |
7 | 生活必需品 | Consumer Staples | 6.03% |
8 | エネルギー | Energy | 3.66% |
9 | 公共事業 | Utilities | 2.72% |
10 | 不動産 | Real Estate | 2.26% |

S&P500って、GAFAMの影響をかなり受けるのね。
オルカン vs S&P500:グラフで比較
オルカン(オール・カントリー・ワールド・インデックス)とS&P500を比べると、「似ているな」と感じる方も多いのではないでしょうか。実際、両者には共通点が多いため、「S&P500とオルカンを両方買う必要はない」と考える投資家もいます。
しかし、それぞれには特徴的な違いもあり、どちらを選ぶかは投資目的やリスク許容度によって決めることが大切です。
それでは、下記を円グラフで比較してみましょう。
- 国別構成比
- 上位10銘柄
- セクター比較
国別構成比

❇︎2025年5月現在
上位10銘柄

❇︎2025年5月現在
セクター比較

❇︎2025年5月現在

上位銘柄とセクターは、かなり似ているね。
50代にオルカンをすすめる3つの理由
オルカンとS&P500はよく似ているように見えますが、これからの老後設計を考える50代には、オルカンのほうが安心できるポイントがいくつかあります。
- 理由①:アメリカが低迷しても、他の国でカバーできる
- 理由②:1本で世界全体の成長をカバーできる
理由①:アメリカが低迷しても、他の国でカバーできる
オルカンは、アメリカだけでなく、ヨーロッパやアジア、新興国など、世界中の株式に投資しています。
最近では、トランプ前大統領の経済政策の影響もあり、アメリカの株価が不安定になりつつあります。
また、国の債務が膨らみ続けていることで、米国債の格付けが引き下げられるなど、「アメリカ一強」に陰りが見えてきたのも事実です。こうした時代だからこそ、ひとつの国に偏らず、世界に分散できるオルカンは心強い選択です。

将来、アメリカ以外の国の経済が強くなる可能性もあるよね。
理由②:1本で世界全体の成長をカバーできる
オルカンは約50カ国以上の株式に、自動で分散投資してくれます。どの国や銘柄が有望かを自分で選ぶ必要はなく、投資が初めての方や忙しい方でも、無理なく続けられます。資産形成をシンプルにしたい50代にとって、ありがたい仕組みです。

一本でまるっと全世界に投資できるから、始めやすいし、続けやすいよね。
それでもS&P500が向いている人はこんな人
以下のような人は、S&P500への投資を検討する価値があります。
① 米国経済の長期的な成長を信じている人
アメリカはこれまで長期にわたり、力強い経済成長を続けてきました。その結果、全世界株式よりも高いリターンを出してきた歴史があります。
「これからもアメリカは成長を続ける」と強く信じている人には、S&P500への投資が向いています。
② オルカンの投資先に魅力を感じない人
オルカン(全世界株式)は、アメリカだけでなく、日本、ヨーロッパ、新興国など、世界中のさまざまな国に投資しています。
もし「米国以外の国にはあまり投資したくない」と感じるのであれば、米国一国に集中投資するS&P500を選ぶというのもありです。
迷ったら、やっぱりオルカンがおすすめ
もし上記に当てはまらず、「どちらにするか迷う…」という人は、オルカンがおすすめです。
過去のデータを見ると、S&P500よりもやや値動き(ボラティリティ)が小さく、初心者の方でも安心して長期保有しやすい傾向があります。
まとめ:50代からでも「オルカン」で少額から資産運用をしよう
「オルカン」なら、世界中に分散投資できるので、初心者でも安心して続けられます。
50代は、まだまだ若い世代。無理のない範囲で、少額からでも投資を始めていきましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました😊